英語でニュースを読みこなすための戦略 (2)
戦略 2. 「見出し」-->「サマリー」から始める (1)
「時間がないから、いつか時間のあるときにじっくり…」などと言っていてはいつになっても英語でニュースは読めません。もっとも、最近では日本語の新聞も不要だとか、いややっぱり必要だよといった議論がなされていますが、日本語の新聞でもそうですね。時間のないときは「見出し」だけでも読め――と言われます。英語のニュースでも同じです。特に語彙力が少ない場合はわからない単語もたくさんあるので、そこで拒否反応を起こしてしまうことになりかねません。ですから、最初から無理をしないことも大切です。
ここでは、以下の2ステップを踏みます。
Step 1. 「見出し」だけを読む
Step 2. 「見出し」+「サマリー」を読む
「見出し」から始める
読まなければ何も始まらない。語彙力も身に付かないわけですから、とにかく、毎日英語のニュースサイトに行って、まずは記事の「見出し」だけを読むことから始めましょう。
「なんだ見出しだけ?」などと物足りなさを感じるかもしれませんが、あくまでも「スタート」です。「スタート」は軽くしておかなければ続きません。また、「たかが見出し」などと「見出し」をバカにしてはいけません。一般のライティングでもそうですが、「見出し」は内容への「玄関口」であるため非常に大事なのです。ニュースの場合、何が書かれてあるかをダイレクトに、簡潔に伝えなければなりません(これは日本語のニュースでも同じですね)。また、短く表現されているだけに意味を取りにくい表現もあり、かえって難しい場合もあるのです。その特徴をまとめてみると以下のようになります。
見出しは短い(当たり前ですね。日本語のニュースもそうです。)
略語が使われている場合が多い(上記同様短くするためです。)
句読点や不定冠詞などが省略される傾向がある(上記同様短くするためです。)
時制には「現在形」が使われている(過去形もたまにあります。)
つい読んでみたくなる言い回し(読まれてなんぼ!の世界ですので。)
各サイトごとに工夫を凝らした表現(比較すると面白い。)
ここで、最後の特徴である、各サイトごとに異なる表現について、例を挙げてみましょう。ここでは、イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃の長男である「ジョージ王子」のクリスマス写真公開記事の見出しを取り上げてみます。
サイト名 |
見出し |
Huffington Post |
Prince George's Christmas Photos Are Full Of Holiday Cheer |
Chicago Tribune |
Royals release Christmas photos of Prince George |
The Guardian |
Prince George captured in three official Christmas photos |
Washington Post |
The royal family: New photos of Prince George |
USA Today |
Will, Kate share new Prince George portraits |
The Telegraph |
Prince George given classic look in his official Christmas 2014 photographs |
Herald Sun |
Prince George looks adorable in new Christmas photos |
CNN |
Prince George charms in royal Christmas photos |
内容的には、「ジョージ王子のクリスマスシーズンの写真が発表された」というだけのことですが、その表現には、単にその事実を表現したものから、「王室」ならではの気品をほのめかしたり、愛らしさを強調したりと、各ニュースメディアごとに微妙な違いを出しているのがわかると思います。
ちなみに、最近筆者も第二外国語の学習などで取り入れている方法ですが、Twitter を使うという方法もあります。Twitter のアカウントを持っている人は、まず英語のニュースメディアをフォローしてください。フォローすることでそのサイトのツイートが表示されますが、たいていヘッドラインと短いサマリーでツイートされますので、長さ的にはちょうどいいかもしれません。さらに興味があればそれをクリックして詳しく読むこともできます。
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