つまり、「~かどうか」というときの If と Whether、これは、厳密には同じではないんですね。もっとも、カジュアルな話し言葉では If が使われることも多いようですが、きちんと正式にスピーチをしたり、原稿を書いたりというときは、やはり区別したほうがよさそうですよ。とくに取扱説明書などの技術的な文書では、意味合いが違ってくることがありますから、注意が必要ですね。
では、まず、その違いをざっとまとめてみましょう。
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If
Whether
品詞
接続詞
接続詞
意味
もし~ならば (たとえ)~であるとしても ~かどうか ~だったらいいのに!(感嘆文)
~かどうか ~であるか、あるいは~であるか
用法
仮定を表現する 条件を提示する 漠然と選択肢を提示する
肯定否定の二者択一の選択肢を提示する 2つ以上の選択肢を提示する
例文
(1) If I were you, I wouldn't go there.
(2) I'll go with you if you let me drive the car.
(1) We don't know yet whether she would join us (or not).
(2) The answer is whether one, two, three, or five.
というわけで、上の表の If の欄にもグレーの文字で「~かどうか」という意味をいちおう掲げていますが、これは、まあ、こういう使われ方もありますよ、ということで英英辞書にも紹介されているからなんです。つまり、ネイティブさんも If を使って表現しているという事実があるということに他ならないわけです。しかし、厳密には、「もし~」というときは If、「~かどうか」というときは Whether というほうが良い使い方だということですね。これはですね、あくまでも「そのほうが良い」ということで、If を使ったら「絶対に間違いだ」というふうに断言するものではないんですよ。