翻訳に基づいた「通弁」クリエイティブ・ライティング

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ただの翻訳ならAIでもできる?(その2)

次の例題はこれです。

例題 2:
飛び込み営業が悪いとは言わないが、個人的には、仕事が忙しいときに「ぜひお話を聞いてください」などと来られると、無下に断るわけにもいかず、結局時間を取られてしまうことになる。「飛び込む」だけでなく、逆に見込み客を引き寄せる営業を考えるべきではないか?


Example 2 (Google翻訳)
I’m not saying that cold calling is bad, but personally, when I’m busy at work and someone comes to me and says, “Please come and listen to what I have to say,” I can’t just bluntly refuse, and it ends up taking up my time. Instead of just “cold calling,” shouldn’t we be thinking about sales that attract potential customers instead?


Example 2 (ChatGPT)
I’m not saying that door-to-door sales are bad, but personally, when someone shows up during a busy workday saying, “Please spare a moment to hear me out,” I can’t just turn them away outright, and in the end it ends up taking up my time. Shouldn’t we consider not only “diving in” on prospects, but also doing the opposite—finding ways to draw potential customers to us instead?


細かく見てみましょう。

1)「飛び込み営業」の表現の違い:Google翻訳は cold calling だが、ChatGPTは door-to-door sales
2)Google翻訳では、表現する情報の順序が原文とほぼ同じになっている
3)「文章表現」としては、ChatGPTのほうがより自然で読みやすくこなれている感じがある
4)「ぜひお話を聞いてください」のGoogle翻訳の「Please come」の部分はなぜ入っているのか不明。それに比べてChatGPTは自然な言い回しになっている
5)「『飛び込む』だけでなく」の「だけでなく」は、ChatGPTでは、律儀に意味を取っているが、Google翻訳では省略している

1)はどちらでもいいのですが、より脈絡に沿っているのは cold calling(アポなしでいきなり営業すること)のほうでしょう。

2)は言いかえれば、情報の順序が日本語の順序になっているということで、英語では、必ずしも日本語の順序が読みやすい、自然だとはかぎりません。

3)、4)ですが、Google翻訳では、表現のぎこちなさ(come という単語を繰り返し使っているなど)が見られるのに対して、ChatGPTはより自然でこなれていますね。

また、5)については、確かに、「~だけでなく」という表現で「飛び込みに加えて」のようなニュアンスがありますが、脈絡における対比(飛び込みVS他の方法)をより鮮明にするためには、この場合は、あえてないほうがスッキリするかもしれません。「飛び込み」を否定していないということは最初にも述べているからです。

これは、単なる翻訳の域を超える部分かもしれませんが、原文にあるからといってすべてそのまま入れてしまうと、ポイントがぼやける場合があります。

というわけで、両者とも、「何が書いてあるか」レベルの翻訳として使うのなら、とくに問題はないと思われます。

これは余談ですが、一昔前に、Google翻訳に同じ例題を翻訳させたことがあります。そのときの「飛び込み営業」の訳は diving business(飛び込みビジネス?)になっていましたし、「無下に断る」は refuse without permission(許可なく拒否する)というような表現になっており笑わせてくれたものですが、最近ではかなり進化しており、まずい翻訳をやっていると仕事を奪われるという「笑いごとではない」状況になってきました。

最後に、ここでも、翻訳にもとづいたクリエイティブ・ライティング (Creative Writing Based on Translation: CWBT) でやってみましょう。あくまでも、一つの例ということでとらえてください。

Example 2 (CWBT)
Cold calling can sometimes be effective. Personally, however, I wouldn’t call it graceful. If an unknown visitor stands at my door and insists on being heard out, even as I’m working intensively, what can a gentle-hearted person do? The result is a significant amount of my precious time robbed for nothing. Are there any more reasonable ways to invite prospects instead of force-pitching on them?


では、次の例題に行ってみましょう。

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ColdVisit
(画像はイメージです。)